2017年6月20日 (火)

【国際税務】海外子会社に対する貸付金税務〜貸倒損失に係る寄附金認定リスク〜

海外に進出している企業にとって、回収困難な貸付金があることが税務上問題になることがしばしばあります。

進出当初は現地経費が先行的に必要となるのが一般的です。
その資金手当として親会社(日本法人)は、出資・仮払・立替など様々な方法を検討することとなりますが、回収の簡便性や長期安定的な資金需要であることを鑑み『長期貸付金』扱いで資金融通するケースが多いように感じます。


海外子会社に対する貸付金については、その貸付利率が適正かどうか?為替換算は大丈夫か?など税務調査時に注意すべき論点が多々あります。

注意すべき論点の一つに、残念なことに回収が見込めない場合の貸付金に係る貸倒損失の問題があります。

法人税には回収が出来ない金銭債権に関して貸倒損失(つまり経費)を認めるルールがあります。

しかしその対象者が関連会社、特に国外関連会社である場合には特に注意が必要です。

例えば軽課税国に子会社を設立、直ぐに多額の貸付を実施したあと、日本法人(親会社)で貸倒損失の計上を認めてしまうと、国際的な課税逃れを許してしまうことになります。

それを防ぐ規定として、貸倒損失を『寄附金』として認定し、結果として経費を認めないルールが存在します。


当然、何でもかんでも認められない訳ではなく、今債権放棄することで、将来発生しうる損失を最小限に出来るなど一定の場合には、当該貸倒損失が経費(損金)として認められることになります。


何も知らずに、回収困難だから貸倒損失してしまうと、思わぬ課税をされてしまうので注意が必要
です。


そもそも回収が厳しい時に貸倒損失を計上する理由は何でしょうか?

よくあるケースが、海外子会社の『債務超過を解消したい』ケースです。

そのような場合、 果たして貸倒損失だけが唯一の解決方法なのでしょうか?


現地法令によりますが他の解決方法もあります。


国際税務は、何か行動を起こした後には引けない事が多いので注意が必要です。



あすか税理士法人

高田和俊

2017年5月26日 (金)

【国際税務】外国法人に対する特許権使用許諾契約の消費税

内国法人(日本法人)が国内で所有する特許権を外国法人(国内にPEなし)に対して使用許諾実施権を設定し、その対価として契約時に一時金、また四半期毎に使用料をロイヤリティとして受け取る場合に消費税はどうなると思いますか?


特許権は権利登録した所在地で内外判定を行いますので、上記のケースでは

日本に登録されている特許権⇒実施権設定は国内取引

となります。



そして、特許権などの資産の譲渡又は貸付で非居住者に対して行われるものは輸出取引等として”輸出免税”の適用を受けます。

言わずもがなですが、輸出免税を受けるためには一定の要件がありますのでご注意くださいませ。


日本の特許に関する使用許諾だから課税売上
使用許諾の役務提供地が海外だから国外取引
と判断しないように注意が必要です。



ちなみに複数国で登録している特許の使用許諾については「譲渡・貸付等を行う者の住所地」で判定することとなりますので、使用許諾を与える側が日本であれば国内取引に該当し、輸出免税となり得ます。


国際取引に係る消費税の取り扱いは複雑ですので、国際税務に強い専門家に相談することをお勧めいたします。

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あすか税理士法人

高田和俊

2017年5月23日 (火)

【国際税務】海外転勤者に係る国内最後の給与に関する税金(時間外手当)

1年以上の勤務が予定される海外転勤は日本非居住者と考えられ、非居住者になった後は一部の所得を除いて日本では課税されません。

ちなみに給与支給日ベースで居住者・非居住者を判定します。

給与計算期間 給与支給日 課税
居住者 居住者 通常給与と同額課税
居住者 非居住者 20.42%課税
非居住者 非居住者 課税無し

これが原則です。

しかし、
・役員報酬
・出国後に支払われる賞与

については別途ルールがあり、日本で課税される部分がありますので注意が必要です。
源泉所得税の徴収が漏れていると不納付加算税10%+延滞税が課税されるため負担が大きいですよね。

ちなみに、給与計算期間(1ヶ月以内)中に居住者→非居住者の切り替わりのタイミングがあり、非居住者になってから支給される給与(ほとんどそうだと思いますが)の場合、全給与計算期間を「非居住者」とみなして日本で課税されない特例があるので過大源泉徴収にならないようにも注意してください。

最後に特殊なケースを一つ説明します。

基本給計算期間:1/21~2/20
時間外手当計算期間:1/1~1/31
海外転勤日:2/10
給与支給日:2/25

給与計算期間中に居住者→非居住者となるケースです。
上述したとおり、基本給は特例を使って全額非居住者扱いとなり課税されませんが、時間外手当はどうでしょうか?
その計算期間は1/1~1/31とあり、全期間=居住者期間です

基本給は無税だけど、時間外手当だけ20.42%課税?という考え方も出来ますよね。

結論は、基本給部分が無税(課税省略)である場合、時間外手当部分も無税(課税省略)で良いこととなります。


海外転勤に伴う実務は複雑ですね。

海外進出企業のうち税務面でお困りのことがあるならば、是非一度《あすか税理士法人》までご相談下さいませ。

大阪淀屋橋と北浜の間にある事務所ですが全国対応可能です!!



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あすか税理士法人
高田和俊

2017年5月12日 (金)

【国際税務】外国税額控除出来ない源泉税の注意点〜租税条約の重要性〜

海外進出企業を悩ませる問題の一つに、外国源泉税があります。

代表的な例としては、海外子会社からロイヤリティを徴収する際に、当該海外子会社から日本親会社へ送金時に20%程度の税金を天引きするケースがあります。

例えば日本での製法を海外子会社に教える代わりにロイヤリティを徴収している場合、そのロイヤリティが発生しているのは国外だと考えられるため、『外国税額控除』により現地の源泉税は取り戻すことが可能です(直接還付を受けるわけではなく、法人税が減税される形で還付されます)。

『海外』で役務提供等したことに伴い発生した源泉税だから外国税額控除出来るのがポイントです。

しかし、諸外国の中には日本では考えにくい取引で源泉税が課されるケースがあります


例えば台湾でこんなケースがありました。

日本の顧客紹介に対する紹介フィーを頂く際に、台湾で源泉税が課せられました。
日本の顧客を日本で紹介していれば、それは『国内』で役務提供したことによるフィーですから日本の外国税額控除では源泉税が返ってきません。

このような国際的二重課税を防ぐために『租税条約(協定)』があります。


ご存知のように日台租税協定がこの一月から適用開始(源泉税)となっておりますが、同協定によれば今回のケースは台湾に課税権がないことが定められています。

ここで注意が必要なのは《現地専門家の全てが正しく税制、租税条約等を理解しているわけではない》点です。


不要な源泉税が徴収されてしまっているケースが見受けられるため注意が必要です。


必ず租税条約等を確認し、気になる場合は納得できるまで現地と意見交換することが肝要だと感じました。

ちなみに、租税条約に反して海外で不要な源泉税が課されてしまった場合、他に国外所得があっても外国税額控除出来ない規定が日本の税制にございますのでご注意くださいませ。



あすか税理士法人

高田和俊

2017年4月24日 (月)

【リクルート】転職・就職に適した税理士事務所とは??

Are you satisfied with your present situation ?

(何で英語やねん!っと言うツッコミは無しで・・・笑)

あなたは今の仕事に満足していますか?
もしくは、あなたはどんな基準で仕事を選びますか?

税理士という仕事に興味を持った方がこのブログを見てくださっていると思いますが、改めて問われたときに明確に答えられますか?

あなたが真に求める仕事ができている事務所に勤めることが出来ている方は素敵です。

でも『事務所が求めている仕事』と「自分が本来したい仕事、会計人としてすべき仕事』は違う、と感じることはありませんか?

あなたがすべき、したい仕事をする事でのみサポート出来るクライアントは少なくないと私は思います。

一度きりの人生、あなたが思うサポートをクライアントに提供したいですよね。

あなたにとって何が大事なのか、何を優先すべきなのか、私たちと一緒に考えませんか??

わたし達、あすかアソシエイツは税理士法人と会計法人とで構成される「All for Clients」を掲げる組織です。

創業者の宮崎を中心に、パートナーとして招聘された津田公認会計士、独立を目指し従業員として入社しパートナーに就任した大井税理士・私(高田)とがパートナーシップを組み運営しています。

ひとりの専門家が提供できるサービスには質的にも幅的にも限界があります。

私や大井税理士が独立せずに、あすか税理士法人のパートナーになっているのは、それが故です。
私たちは専門家として一人ひとり異なる分野での強みを発揮できる集団を目指しています。

クライアントのためにこんな仕事がしたい!と思うあなたを私たちは歓迎します。

未経験者の方も同様です。
熱い気持ちのない経験者より、熱い気持ちのある未経験者の方がよりクライアントに寄り添って仕事をしてくれため私たちは「好き」です
未経験者の方は所内の教育制度に基づき、まずは会計入力作業から慣れていってもらいますので、すぐに外出を強要することもありませんのでご安心下さい。

資格は目的ではありません。
税理士、会計士の資格は資格取得に時間を要するため、いつしか人知れず資格取得が目的と化しがちです。

資格はあなたがしたい仕事を遂げるためのツールに過ぎません。

何故あなたが資格取得を目指したのか?
何故この業界で働こうと思ったのか?何故この業界で働いているのか?

新しく入社してくる方、特に未経験の方と接すると常に自問自答するべきだと私自身感じました。

一度私たちの話しを聞きに来ませんか?
最後まで読んでくださったあなたのご応募お待ちしております。

応募は弊社リクルートサイトエントリーシートより御願いします。

夏にはインターンシップも開催予定です。
詳しくはこちらをご参照下さいませ。




あすか税理士法人
高田 和俊

2017年3月22日 (水)

【国際税務】無形資産に係る移転後の再課税(BEPS行動計画8-10)

先日の日経新聞に掲載されていましたが、財務省は日本企業が知的財産を軽課税国へ移転することによる節税策をとりにくくする方法を検討しています。

これは、BEPS行動計画8-10 に根ざしたもので、既に諸外国では実施されており、日本ではそれに追随するかたちでグローバルな協調姿勢を取った形となります。

具体的かつ簡潔に説明したいとおもいます。

例えばある特許を日本企業が取得し、その特許権を海外子会社(低課税国)に100で譲渡したとします。
当該特許は素晴らしい特許で海外子会社に莫大な利益をもたらした場合に問題が生じます。
そうしたときに疑問が一つ浮かんできます。


100で譲渡したことが適正であったかどうか
、です。

従前の法律では日本企業側(納税者)が100が妥当な数値である、とした場合に、その算定根拠資料は当然ながら納税者が保有しているものであり、税務当局はその後追いで合理性があるかをチェックすることしかできず、否認しづらい状態でした。

これが、今検討されている改正案では「5年の商業期間で実際に得る収益と、当初設定金額との乖離が20%以上」である場合には、差額分に対し課税されてしまうこととなります。

つまり特許権譲渡『』の実態数値に基づき、再課税が出来る仕組みへ移行されることが検討されています。

BEPSによれば、全ての取引について再課税するべきでは無いとされており、例えば

・当初収益予測を行った詳細な証拠
・当初予測と実態数値の乖離について予見不可能であったことを裏付ける証拠

がある場合などは、再課税すべきではないとなっています。
(BEPSでは『評価困難な無形資産(HTVI)』に関する「適用免除規定」として記載されています)

日本の税制がどのような措置を執るのか注目(2018年度改正予定)されますが、まずは第一段階として何よりも大事なのは

・無形資産の特定
・無形資産の開発・改良・維持・保護・使用に関する具体的で経済的に重要なリスクの特定


となります。

無形資産は必ずしも「所有者に重きを置かない」点に注意が必要です。


一番大事なのは誰が各リスクを負担するのか
、です。

まずはそのリスク負担を明確にし、その次に、再課税されない取引に該当するのかの検討が必要になるものと思われます。

無形資産課税は企業が予期せぬところにそのリスクがあるものだと思います。
まずはリスク把握を行い、そのリスクの大きさを検討し、そこから対処方法を検討することが重要だと思います。



あすか税理士法人

高田和俊








2017年2月27日 (月)

【国際税務】海外子会社への出張は全て寄附金リスクがあるのか?


先日のブログで、海外子会社への出張による役務提供の寄附金リスクについて書かせて頂きました。

 

そもそも

海外子会社への出張=寄附金認定リスクあり

なのでしょうか?

 

 

海外子会社へ日本社員を出張ベースで派遣する際の目的は実に様々だと思います。

 

ここに5つの例を挙げたいと思います。

1,海外子会社の役員としての出張

2,コアビジネスのサポートを行う為の出張

3,日本社員の見識を広める為の出張

4,日本社員の語学研修の為の出張

5,日本が直接売上を計上する海外得意先との打合せの為の出張

 

これらの全てが寄附金リスクがあるわけではありません。

 

1,2,は寄附金認定リスクがありますが、3,5,に関しては『その出張で子会社が便益享受していない』ためコストは基本的に日本親会社負担であり、寄附金認定リスクは無い(又は低い)はずだと私は考えています。

※上記事案の全てがその通りになる訳ではございませんので、実務に当たる際はくれぐれも個々の事案ごとにご検討ください。

 

 

大事なことは取引の事実をまず正確に把握することです。

その上で、結果として寄附金リスクが本来無い取引であれば、必要な資料を準備しておくことが肝要です。

 

一番問題なのは何となくリスクがある気がするが放置すること、です。

そうすることにより、本来不要な寄附金認定リスクを負うことになり、グローバルコストが不必要に高くなってしまいます

 

国際税務は普通の税務以上に皆様の状況に応じた対応が必要で、二人三脚で一緒に考えてくれる会計事務所を探すことが重要です。

 

これを読んでくださっている皆様は、もしかするとそのような会計事務所とまだ出会えていないのではないでしょうか?

私たち税理士の仕事のひとつは「税法を正しく理解しクライアントに説明すること」です。税法は法律ですが、その法律をクライアントの形に添って情報提供する「程度や柔軟性」は事務所によって雲泥の差があります。


クライアントと私たちの関係性は相性が大事です。気になる問題を抱えておられる方は是非一度ご相談下さいませ。

 

あすか税理士法人

高田和俊





			

2017年2月21日 (火)

【国際税務】低付加価値グループ内役務提供(BEPS行動計画8~10、OECD移転価格ガイドライン改定)

グローバルに展開している多国籍企業が経理面で懸念されるものの一つに海外関連者に対する寄附金があろうかと思います。

例えば経理や法務業務サポートを日本親会社が行う場合に

・日本親会社→第三者:100の対価(fee

が適正である取引について、

・日本親会社→海外子会社:20の対価(fee

と、通常より少額の対価をもって海外子会社に役務提供を行った場合は、差額80が海外子会社支援とみなされ「海外関連者寄附金」として100%損金不算入となります(同時に80の海外サポート収益の計上漏れも指摘されるのでダブルパンチです)。

 

特に海外進出直後は海外子会社に十分な資金がなく、やむを得ず日本親会社が負担したい(すべき)という経営判断になることは個人的には理解しやすいところです。

 

ただ、税務当局は「なるほど、海外子会社が負担できないので日本親会社が負担されておられるのですね。それは結果として子会社支援を日本親会社が行った形となるので、やむを得ず日本親会社から海外子会社に対する寄附金ですね」と指摘されることとなります。

 

最近の税務調査ではこの部分の指摘が多いように感じます。

 

もちろん移転価格税制の問題にし得る事案もありますが、移転価格税制の指摘は税務当局にとっても負担が大きく時間がかかるため積極的な指摘をするには相応の規模がある場合に限られるのではないかと個人的には思います。

よって、より相対的に指摘しやすい「海外関連者に対する寄附金」が税務調査で熱い論点となるわけですね。

 

海外子会社の間接的業務を支援する際に、日本親会社社員を海外子会社に出張させるケースが一番多いと思います。

この時に「一体いくらを海外子会社に負担させるのか」が実務的に経理ご担当者様の頭を悩ませることが多いですよね。

 

出張旅費、出張対象者の給与などなど、どの部分をどこまで海外子会社に負担させるのか、その根拠となるエビデンスの保存と共に実態に応じてその方法は様々だと思います。

 

大事なのは実態を鑑みしっかりと検討し、来るべき税務調査に備えてしっかりエビデンスを作成、保存することです。日本親会社と海外子会社との契約書はもとより出張報告などいかにきっちり積み上げておくかが、税務調査での是否に大きく影響してきます。

 

表題のBPES810の最終報告書の中に、低付加価値グループ内役務提供に関する記述があり、低付加価値役務提供については総コストに5%を上乗せするべきとあります。

 

日本の税務調査の基本となる「移転価格事務運営要領」ではまだ同様の記載はありませんが、BEPSの位置づけから考えると日本もいずれその考え方を準用するのではないかと思われます。

 

国際的取引については予期せぬ課税ポイントを税務当局から指摘を受けるケースがあります。

 

私たちは「課税リスクを知り準備をすること」が最重要ポイントだと考えております。

 

国際的取引が増えてきて不安だが相談すべき相手がいなくて困っている法人企業の経理事務ご担当者さまは多くいらっしゃることと存じます。

 

わたしたちあすか税理士法人では、そんな皆様のお手伝いができれば非常に嬉しく思います。弊社クライアントにはASEANにおける信頼できる現地会計事務所のご紹介も喜んで行っております。

 

国際税務は知らなかった時のリスクが甚大です。

是非信頼のおける会計事務所をお探しいただき、その選択肢の一つにあすか税理士法人をご検討くださいませ。

 

 

あすか税理士法人

高田和俊

 

2017年1月20日 (金)

【国際税務】海外の駐在事務所で払ったリース料に係る源泉税

日本法人が海外に現地情報収集等の目的を持って、駐在員事務所を持つのはよくあるケースだと思います。

子会社や支店を展開するには法規制など様々なハードルがあるため、駐在員事務所は新たな海外展開にとって有用です。

今回はそんな海外駐在員事務所で賃借料(リース料)を支払った際に、日本で源泉徴収が必要になり得る事をご紹介したいと思います。

一般的な感覚として、日本でサービスを受ける場合は日本が源泉地国になる、すなわち日本に課税権があるのは理解できるところかと思います。

しかし、日本が各国と締結する租税条約によっては駐在員事務所(非PE、非恒久的施設)で支払う賃借料について、本国である『日本で源泉対象となる取引が発生したとみなして』リース会社に賃借料を支払う際に源泉徴収が必要となるケースがあるのです。

正直、違和感は禁じ得ません。

租税条約でそうなっている以上、日本居住者たる日本法人は、そのルールに則り源泉する必要がありますが。

そうなるとどうなるか。

みなさまはもうお察しだと思います。


そうです、グロスアップにより支払者たる日本法人が源泉税部分を負担する事態が発生し得ることとなります。つまり外国リース会社に支払ったリース料が「源泉税天引き後」の金額であると考え、上乗せの源泉税部分を日本法人が負担する方法です。


国際的取引を多数しておられる企業様は租税条約の把握は必須です。
しかしその解釈は決して容易ではありませんので、国際税務を得意とする専門家への早期のご相談をお勧めいたします。

あすか税理士法人では複雑な国際税務を、お客様の視点に立ち、かつ敷居を低くご説明する事をモットーとしております。
現状に不安がある方は是非お気軽にご相談くださいませ。


あすか税理士法人

高田和俊

2017年1月13日 (金)

【国際税務】チリとの租税条約発効(2016年12月28日より)

明けましておめでとうございます。

いつもブログを拝見頂きありがとうございます。

本年も“ALL FOR CLIENTS”の精神で、皆さまにとって少しでも有益な情報提供に努めたいと思っておりますので、何卒宜しくお願い致します。

さて今回は、日本とチリ共和国との間で合意に至っていた「日チリ租税条約」(平成28年1月21日署名)について、昨年末の平成28年12月28日に発効となりましたので、情報提供したいと思います。

当該条約は12月28日に東京で両国政府による「公文の交換」が行われたことにより、同日付で発効(効力が生じる)となっています。

より具体的なタイミングとしては下記を参照してください。

 ≪日本側≫

1、課税年度に基づいて課される租税

    平成29年1月1日以後に開始する各課税年度の租税

2、課税年度に基づかないで課される租税

    平成29年1月1日以後に課される租税

≪チリ側≫

取得される所得及び費用として支払われ、貸記され、処理され、又は計上される額に対し、平成29年1月1日以後に課される租税

 
なお、情報交換に関する規定は、対象となる租税が源泉徴収される日又はその課税年度にかかわらず、平成28年12月28日から適用されることとなっています。

次に、本租税条約の主な内容を簡単にご説明したいと思います

1、事業所得
日本法人がチリに進出している場合、日本法人がチリに有する恒久的施設(PE)に帰属する利得に対してのみ、チリで課税することが出来る(日本・チリが逆バージョンも同様)

2、源泉税率

(1)配当

イ.親子会社間(25%以上保有) → 5%

ロ.年金基金受取 → 免税

ハ.その他 → 15%(※1)

(※1)チリ法人が支払う配当についてはチリ国内法による源泉税率が実質10%となっているため10%課税となる

(2)利子

イ.銀行等受取 → 4%

ロ.その他 → 10%(※2)

(※2)発効後2年間は15%

(3)使用料(ロイヤリティ)

イ.設備 → 2%

ロ.その他 → 10%

(3)株式譲渡所得

一定の株式譲渡について、源泉地国にて課税

3、恩典制限条項あり

租税条約の濫用による租税回避を防止するための措置が講じられています。

4、両国間における実効的情報交換の実施


租税条約原本は「convention_between_japan_and_the_republic_of_dhile.pdf」をダウンロード をご参照ください。

海外進出企業については租税条約の適切な把握が重要です。

国際税務に関するお悩みをお持ちの方は是非あすか税理士法人へご相談くださいませ。

 

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