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2017年11月10日 (金)

【国際税務】海外勤務者の税金①~海外出向後、1年未満で帰国したとき~

海外に子会社や支店を設立すると、現地に日本人スタッフを送るケースが多いと思います。
現地と日本とでは企業文化が違いますし国民性も違うので、日本人スタッフが現地にいる重要性は非常に高いと思います。

日本から1年以上の期間の予定で海外に出向してもらう場合、原則として出国日の翌日~帰国日まで日本非居住者となり、日本で稼ぐ所得(国内源泉所得)以外は基本的に日本で課税されなくなります。

「1年以上の期間の予定」であることを証明する書類としては出向辞令が一般的だと思います。税務調査時にいらぬ疑いをかけられないようにするために、きっちりとした証憑を保存しておくようにしてください。

では、1年以上の予定で出国した人が本社の辞令により急遽帰国することになった場合どうなるでしょうか?実務的にはよく発生し、経理担当の方を悩ませると思います。

悩む選択肢としては

(A)当初の出向辞令の終わりの期間まで非居住者
(B)帰国日まで居住者
(C)帰国の辞令が出た日まで非居住者
(D)遡って出国当初からすべて居住者

が考えられると思います。


どれが正解だと思いますか?


所得税法基本通達によると「国外において職業に従事するため国外に居住することとなった者は、その地における在留期間が契約等によりあらかじめ1年未満であることが明らかであると認められる場合を除き、国外に住所を有する者と推定される」と考えられています(通達を抜粋、一部読みやすいように解釈・編集しています)。

この通達によると、出国時点において1年以上の期間、海外で勤務することを約されている場合、少なくとも出国時点において非居住者であることは間違いありません。また結果として1年未満になった場合の特例を定めた通達等は存在しません。

よって(D)は選択肢として無くなります。

次に課税の公平性を考えた時に、(A)は帰国の実態とそぐわず、また(B)であれば会社がの恣意性により帰国を伸ばすことも出来るため、これもまた不適当と言えます。


結論として(C)の帰国辞令が出た日までが非居住者扱いとなり、その翌日から居住者として日本で課税(全世界所得課税)されることとなります。


ちなみに年の途中で非居住者→居住者となったとき、年末時点で居住者であればその年のすべての所得について全世界所得課税(居住者課税)が必要なのかなと悩むところですが、これも所得を稼得したときの居住・非居住区分に応じて課税されますのでご安心くださいませ。


あすか税理士法人

高田和俊

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