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2017年12月

2017年12月18日 (月)

【税制改正】2018年税制改正大綱② 大企業の新所得拡大税制

大企業向けの新所得拡大税制

前回のブログで中小企業の新所得拡大税制についてご説明しました。
今回は2018年税制改正大綱に掲載されている資本金が1億円を超えるような大企業(非中小企業者)における新しい所得拡大税制を見てみたいと思います。

まず、現行の所得拡大税制は平成30年3月31日までに開始する事業年度で終了となります。3月決算法人であれば平成30年3月期までですね(中小企業者と同じです)。

平成30年4月1日~平成33年3月31日開始事業年度から新しい所得拡大税制がスタートする予定です。


適用要件
国内雇用者に対する給与で役員を除くのは以前から変わりません。
その他の要件は下記二つとなります。

(1)(平均給与等支給額-比較平均給与等支給額)÷平均給与等支給額≧3%
「平均給与等」については中小企業者の税制と同様で、現行制度とは内容が異なる点に注意が必要です。
前期から今期にまたがって給与支給があればよいのではなく、前期から今期にかけて全支給期において給与支給がある方の給与等が対象となります。

(2)国内設備投資額≧減価償却費の総額の90%
「国内設備投資」は当期取得の国内減価償却資産で期末保有分の取得価額合計額となります。また減価償却費には「準備金方式の特別償却」も含まれる点に注意が必要です。
結構ハードルが高いと言えるのではないでしょうか?



税額控除額

給与等支給増加額の15%税額控除可能です。
更に、教育訓練費額の比較教育訓練費額に対する増加割合が20%以上なら税額控除割合が15%→20%に増えます
※比較教育訓練費:前期、前々期の平均額となり平均給与と対象期間が異なります。



まとめ

現行制度と大きく違うのは設備投資が要件に加わった点です。
その結果得られる税額控除額は拡大されていますので、計画的な設備投資等を実施することで所得拡大税制のメリットを受けられるよう検討すべきだと思います。



あすか税理士法人

高田和俊


2017年12月15日 (金)

【税制改正】2018年税制改正大綱① 中小企業者の新所得拡大税制

2018年度税制改正大綱 中小企業の所得拡大税制

2017年12月14日、自民党から2018年税制改正大綱が発表されました。
その内容を詳しく見て行こうと思いますが、まず第一弾として中小企業の所得拡大税制を見たいと思います。

現行の所得拡大税制は平成30年3月31日まで開始事業年度(3月決算法人なら平成30年3月期)で終わりを迎えます。
2018年度税制改正大綱によると、現行の所得拡大税制は改組されて残ることとなります。

具体的な内容は?

✔ 平成30年4月1日~平成33年3月31日開始事業年度に

✔ 国内雇用者に対して給与を支給した場合において

{「平均給与等支給額」-「比較平均給与等支給額」}÷「比較平均給与等支給額」≧1.5%

ならば給与等支給増加額×15%の税額控除が可能(法人税の20%上限)となります。

ここでの「平均給与等支給額」は現行のものと異なる点に注意が必要です。
今までは前期と当期にまたがって給与支給がある方が対象でしたが、新税制では前期と当期の全期間給与支給がある方が対象となります。

更なる減税もあります!

15%税額控除の率は下記要件を満たすと20%にUPします。
(1)上記1.5%判定の数値が2.5%以上
(2)下記いずれかを満たす
 教育訓練費が前期比10%UP
 事業年度終了までに経営力向上計画認可を受け、かつその計画に従って経営力向上が確実に行われたと証明されたもの

20%税額控除が出来る要件にある『計画に従って経営力向上が確実に行われたと証明された』という部分がすごく気になりますね。

今後、より詳細な情報が出てきたらまた情報提供いたします。

次回は大企業(非中小企業者)所得拡大税制についてお話します。



あすか税理士法人

高田和俊

2017年12月 1日 (金)

【国際税務】海外子会社に対する貸付金利息の注意点

海外貸付金について一番注意するべきこと

海外子会社を有する企業グループの税務リスクを語る上で「寄附金」は最重要課題の一つです。寄附金と認定されると損金不算入&社外流出となるので是が非でも避けたいところです。

では、海外子会社に対する貸付金がある場合に、寄附金認定を受けないために何を注意すべきか分かりますでしょうか?

一番注意すべきはその「貸付利率」です。

貸付利率について“適正”な利率で利息を徴収してないと、適正額と実額との差額について寄附金認定を受けてしまいます。

では「適正」な海外子会社貸付金利息とは何を言うのでしょうか?

海外貸付金の“適正”な利率とは?

適正利率=自社の調達金利、と思われた方は注意が必要です。

国内子会社に対する貸付であればその考え方でも良いのですが、対海外子会社となると話が変わります。

海外子会社に外貨建で貸付を実行する場合、その為替変動リスクは誰が負うのでしょうか?日本親会社となるのが一般的ですよね。そうすると日本円での調達利率をベースに貸付利率を計算すべきでないことをご理解いただけると思います。

では何の利率を使えばよいのか?

国税がこの問題に関する情報「移転価格事務運営要領」を公開していることをご存じでしょうか?

 

「移転価格事務運営要領」による適正利率

「移転価格事務運営要領」は法律ではありませんが課税庁が税務調査を実施する上で指針としている文書になりますので納税者としては無視しがたい文書となります。

その書類によると下記三つの手法に基づき貸付利率が算定されているかを課税庁がチェックすることとなっています。

下記は1,~3,までその数字の順番がそのまま優先順位となっています。

 

1,借手が金融機関から同条件(通貨、期間等。以下同じ)で借りるときの利率 

2,貸手が金融機関から同条件で借りるときの利率

3,通貨、取引時期、期間等が同様の状況の下で国債等により運用するとした場合に得られるであろう利率

一般的に円建てでの国内調達金利より高い率になりやすいです。

つまり国内調達金利で貸付を実行すると寄附金認定リスクが高いこととなります。

公開されている情報で明示されていますので、海外子会社に対する利率を検討する際は充分に考慮すべきだと思います。

課税当局による税務調査への対応

貸付利息は毎期継続的に収益計上されるのが一般的であるため、課税当局も税務調査で重点的にチェックする事項の一つとなります。

逆をいえば、正しい知識さえ持っていれば対処が難しい問題ではないため、あとは証拠書類をきちっと整えておけば、税務調査時に課税当局に与える印象は非常によくなると言えると思います。

知らなかった場合に与える影響が大きい「海外子会社に対する寄附金」。

貸付利率を考える際に「寄附金の問題がある!」と認識して頂けたらな幸いです。

 

あすか税理士法人

高田和俊


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