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2017年12月 1日 (金)

【国際税務】海外子会社に対する貸付金利息の注意点

海外貸付金について一番注意するべきこと

海外子会社を有する企業グループの税務リスクを語る上で「寄附金」は最重要課題の一つです。寄附金と認定されると損金不算入&社外流出となるので是が非でも避けたいところです。

では、海外子会社に対する貸付金がある場合に、寄附金認定を受けないために何を注意すべきか分かりますでしょうか?

一番注意すべきはその「貸付利率」です。

貸付利率について“適正”な利率で利息を徴収してないと、適正額と実額との差額について寄附金認定を受けてしまいます。

では「適正」な海外子会社貸付金利息とは何を言うのでしょうか?

海外貸付金の“適正”な利率とは?

適正利率=自社の調達金利、と思われた方は注意が必要です。

国内子会社に対する貸付であればその考え方でも良いのですが、対海外子会社となると話が変わります。

海外子会社に外貨建で貸付を実行する場合、その為替変動リスクは誰が負うのでしょうか?日本親会社となるのが一般的ですよね。そうすると日本円での調達利率をベースに貸付利率を計算すべきでないことをご理解いただけると思います。

では何の利率を使えばよいのか?

国税がこの問題に関する情報「移転価格事務運営要領」を公開していることをご存じでしょうか?

 

「移転価格事務運営要領」による適正利率

「移転価格事務運営要領」は法律ではありませんが課税庁が税務調査を実施する上で指針としている文書になりますので納税者としては無視しがたい文書となります。

その書類によると下記三つの手法に基づき貸付利率が算定されているかを課税庁がチェックすることとなっています。

下記は1,~3,までその数字の順番がそのまま優先順位となっています。

 

1,借手が金融機関から同条件(通貨、期間等。以下同じ)で借りるときの利率 

2,貸手が金融機関から同条件で借りるときの利率

3,通貨、取引時期、期間等が同様の状況の下で国債等により運用するとした場合に得られるであろう利率

一般的に円建てでの国内調達金利より高い率になりやすいです。

つまり国内調達金利で貸付を実行すると寄附金認定リスクが高いこととなります。

公開されている情報で明示されていますので、海外子会社に対する利率を検討する際は充分に考慮すべきだと思います。

課税当局による税務調査への対応

貸付利息は毎期継続的に収益計上されるのが一般的であるため、課税当局も税務調査で重点的にチェックする事項の一つとなります。

逆をいえば、正しい知識さえ持っていれば対処が難しい問題ではないため、あとは証拠書類をきちっと整えておけば、税務調査時に課税当局に与える印象は非常によくなると言えると思います。

知らなかった場合に与える影響が大きい「海外子会社に対する寄附金」。

貸付利率を考える際に「寄附金の問題がある!」と認識して頂けたらな幸いです。

 

あすか税理士法人

高田和俊


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