【税制改正】2018年税制改正大綱② 大企業の新所得拡大税制
■大企業向けの新所得拡大税制
前回のブログで中小企業の新所得拡大税制についてご説明しました。
今回は2018年税制改正大綱に掲載されている資本金が1億円を超えるような大企業(非中小企業者)における新しい所得拡大税制を見てみたいと思います。
まず、現行の所得拡大税制は平成30年3月31日までに開始する事業年度で終了となります。3月決算法人であれば平成30年3月期までですね(中小企業者と同じです)。
平成30年4月1日~平成33年3月31日開始事業年度から新しい所得拡大税制がスタートする予定です。
■適用要件
国内雇用者に対する給与で役員を除くのは以前から変わりません。
その他の要件は下記二つとなります。
(1)(平均給与等支給額-比較平均給与等支給額)÷平均給与等支給額≧3%
「平均給与等」については中小企業者の税制と同様で、現行制度とは内容が異なる点に注意が必要です。
前期から今期にまたがって給与支給があればよいのではなく、前期から今期にかけて全支給期において給与支給がある方の給与等が対象となります。
(2)国内設備投資額≧減価償却費の総額の90%
「国内設備投資」は当期取得の国内減価償却資産で期末保有分の取得価額合計額となります。また減価償却費には「準備金方式の特別償却」も含まれる点に注意が必要です。
結構ハードルが高いと言えるのではないでしょうか?
■税額控除額
給与等支給増加額の15%税額控除可能です。
更に、教育訓練費額の比較教育訓練費額に対する増加割合が20%以上なら税額控除割合が15%→20%に増えます。
※比較教育訓練費:前期、前々期の平均額となり平均給与と対象期間が異なります。
■まとめ
現行制度と大きく違うのは設備投資が要件に加わった点です。
その結果得られる税額控除額は拡大されていますので、計画的な設備投資等を実施することで所得拡大税制のメリットを受けられるよう検討すべきだと思います。
あすか税理士法人
高田和俊